こんばんは。けんちゃんです。
今回はヘルマンヘッセ「青春彷徨」を読みました。
この本は海外の小説ならではの、優しい春の日差しのように温かい本でした。日本の小説では感じられない独特のふわふわしたものが感じられます。どこの場面を選んでも綺麗な文章が並んでいます。美術館の中を歩いているような感覚になります。
主人公は物書きをする青年で、恋をしたり、友人と深い絆で結ばれたり、両親のことを大切にしたりします。
しかし、突然大切な存在をなくしてしまうのです。彼はそこから自分の生き方を考え直します。人間よりも自然に興味を持ち、とても情緒あふれる優しい着眼点を持った人になるのです。
ある場面で、好きな人と一緒にボートに載って告白して、振られてしまいます。
その時の描写にぼくはとても感動しました。なぜなら、自分も失恋をしていたからです。彼の気持ちが痛いくらいによくわかりました。この本はちょうどぼくのために書かれたように感じました。父親に対する行動を反省している時であったし、失恋をしている時でもあり、そして悩んだ時によく散歩をするのも全く一緒でした。
この本のタイトルの彷徨が「目的地も持たずに、あてもなく歩き回ること」だと知ってびっくりしました。
ぼくは彼のように自然を愛し、悩んだ時には彷徨し、恋をして、両親にしっかりと感謝の気持ちを伝えたいと思うようになりました。
人間関係について悩んでる人におすすめの本です。
感動した文章
①「非常に美しい情勢にのみ恋をしたことを誇りに思っている。彼女は今でも、私如きとは全く違った男たちに愛されるにふさわしい女性である。その頃、私の全身にはういういしい青春の力が沸騰していた」「青春彷徨」ヘルマンヘッセp29
ぼくも今まで付き合ってきた人が美しい人であったことに幸福を感じる。ぼくの場合は誇りというよりも幸福だ。
それは、自分が一瞬でも彼女たちにふさわしい男だったという証明になるからだ。
主人公とは違い、ぼくは彼ほど心の綺麗な人間ではない。承認欲求を奥底に潜ませた偽善者だ。心の内をなかなか見さない。
青春の力が沸騰していると言うのは最高の状態だ。いつまでも沸騰させていたい。ぼくが一番沸騰していたと思う時期は大学院の一年生の時だ。年間で200万円を旅に捧げた。国内はもちろん海外も半年で五カ国訪れた。やりたいと思ったことは速攻でやるようにしていた。今は時間がないからそこまで激しく行動することができないと言おうとしたが、そんなことはない。自分次第でどうなることもできる。会社が終わってから24時間もあるのだ。これを最大限に活かし切ることができるかが、ぼくの人生に大きな影響を与えると思う。
②「それまで私は、およそ「文学」と呼ばれているものは夢にも知らなかった。だが、それからというもの、たちまちにして、文学という影のうすい幻影が私には偉大な神となったのである。」p30
文学というのは素晴らしいものだ。これを影のうすい幻影と表現しているのはなぜなのだろう。ぼくは文学はさりげなく、図々しくない、自然に似ているものだと思っている。本を読んでいなかったら、こんなに素晴らしいと思えるものはなかった。
アニメよりも激しく感動することはまだない。正直、アニメを見て泣くことは多いが本を読んで号泣するという経験はまだしていない。目頭がジンと熱くなるくらいだ。まだぼくの想像力が足りていないのだ。
本を読み始めた時から今までで、文章を読むことに対しての感覚はゆっくりと変化していった。最初は自分の役に立つことが直接的に書かれていないと退屈を感じてしまった。すぐにこの本はつまらないと読むのをやめてしまったことも多かった。だから、最初は自己啓発本ばかりを読んでいた。小説なんてものを読んでも、ただの趣味で学ぶことは全くできず、無駄なものだと思っていた。表現を周りくどくして、伝えたいことを婉曲にしか伝えてくれないものだと思っていた。
しかし、そうではなかった。表面に大切なものが書かれているよりも、深いところに隠されていた方が探しがいがあるし、見つけた時の感動も一入だ。いつからか小説も読めるようになった。歴史小説でだんだんと慣らし、官能小説にはまり、そこから恋愛小説にハマっていった。その中で太宰治や夏目漱石の文章に出会った。内容だけでなく、文章の構成、句読点の打ち方や表現の仕方に憧れるようになった。その頃から純文学という、よくわからないジャンルも読めるようになった。今は読めない本というものは無くなった。なんでも読めるようになった。以前は文章を読む速度が上がっていくことに喜びや充実感を感じていたが、今はそういった感情も無くなった。逆に早く読みすぎてブレーキをかける時もある。最近はもっとじっくり大切に読みたいと思うようになった。神保町の古本屋さんで素敵な本に出会うことが多いのだが、初めて神保町の本屋さんにいった時は何を買ったらいいのかがわからず、神保町も大したことないと思った。本を読んでいく中で慣れていき、本がより好きになっていった。
自分の経験から言うと、本を楽しく読めるようになるには修行が必要だと思う。これと同じように何年か続けていく中で面白さに気づけるものがあるのだろう。慣れないと面白くないものが、身の回りにゴロゴロと転がっている可能性がある。もしかしたら、麻雀やポーカー、ボウリングにビリヤードもそう言ったものなのかもしれない。一回やっただけでつまらないと決め込むのはやめて、辛抱強く新しいことに挑戦してみたい。
③「青春が、一人の美しい青年の姿をして私に近づいてきた」p49
なんて素敵な表現なのだろう。誰かに自分もそんなふうに思われたい。今のぼくは顔が非対称だから美しいとは思われないだろう。眼鏡もかけてる。美しくなりたい。ボトックスを打とうと思っている。ぼくはアニメを見まくった。だからもう足を洗って本の分野だけを突き詰めていきたい。昔だったらしっかりと流行に乗っていかないと話についていくことができなくなったが、今は雑多なものが増え、別に一つの流行にみんなが乗って行かなくてもいい時代だと思っている。読書をする人も少ない。だからこそ希少価値が上がっていくと思う。
④「アッシジの聖フランチェスコを、詳しく知るようになった。こうして、豊かな生活と精神とが私の前にひらけて、私の夢は日毎に真実となり、野心と喜びと青春の自負とを持って私の胸を熱くしていった。教室では、真面目な、いくらか厳しい、時としてはいくらか退屈な学問に私は勤しんだが、家では、中世の親しみのある進行深い物語や、あるいは恐ろしい物語や、あるいはのんびりした古い小説家のものを愛読した」p59
誰かの生き方に憧れると言うのは素晴らしいことだ。ぼくは最初は吉田松陰の生き方に憧れた。彼のような生き方をしたいと思って、山口県の萩にある、松下村塾を訪れ、彼について学びに行ったことがある。最近は成瀬は天下をとりに行くの成瀬あかりに憧れている。
この本のおかげで読んでみたくなった本
ゴットフリートケラー「緑のハインリヒ」スイスの写実主義文学の巨匠
まとめ
この本を読むと両親に優しくしようと思える。両親との関係で悩んでいる人にぜひ読んでもらいたい。
【中古】 青春彷徨第20刷改版 / ヘルマン ヘッセ, 関 泰祐, Hermann Hesse / 岩波書店 [文庫]【ネコポス発送】 価格:393円 |
