電気なし、ガスなし、スマホなしの生活③

思わぬかたちで僕のこの生活は終わりを迎えた。

金曜日の夜になり、親が僕に会う予定を立てようとLINEをしてきた。もちろん僕のスマホは充電が入っていないから気づくはずがない。

親は心配した。そして僕に鬼電をした。でも出ない。それで余計に心配をした。相談事をするとめんどくさくなるから僕はしないだけなのだが、母親は僕が悩みを背負い込んで塞ぎ込んでしまうたちだと勘違いをしている。悩み事があるなら遠慮しないでねと言われてもいうわけでもないし、そんなに都合よく悩みがあるわけでもない。なんとなく愚痴を言うのが嫌いというのもある。

それなのに無理矢理にでも僕から悩み事や愚痴を聞きたがる。そうすると僕はさらに相談したくなくなる。一回ちょっとしたことを言うと,ずっと覚えているのだ。軽い気持ちで相談して、ずっとそのことについて言われるのも疲れるからどんどん自分の話がしたくなくなる。

そんなこんなで僕が自殺してしまったのではないかと心配して土曜日に僕の住んでいる家に来て、勝手に僕の部屋に入った。流石に僕もここまでのことは予想していなかった。

たった1日連絡がつかないだけでこんなに心配されるとも思っていなかったし、勝手に部屋に入られるとは思っていなかった。怖さまで感じてしまう。

(ぼくはたまにスマホがなくなったらいいのにと思うことがある。連絡がついてしまうまでの時間が短すぎるのだ。昔だったら家族の安否を確認するのも手紙だった。これならばいちいち死んだかどうかを細か気にされることもないし,自分が何をしていても自分の行動がバレることは少ないと思う。他人と繋がることは容易になったが自分一人の時間を持つことはどんどん難しくなっている。)

僕の部屋に入られ、電気もガスも止まっていることがバレてしまった。なおさら心配が増したらしい。

そこで勝手に電気もガスも復旧されてしまった。

来週はガスコンロを買って土鍋でお米を炊く計画をたてていたのに。

こんな経緯で僕のこの楽しい生活は終わってしまった。

でもいいこともある。勝手にやってくれたおかげで、電気業者やガス業者に電話する手間は省けた。こんな言い方をするとお前は親不孝ものだと思われるかもしれないが、これが僕の最初の率直な考えだったと思う。

電気とガスが出るようになっても自分で使わないように生活すればいいと重人もいるだろう。でも僕は初めから自分の生活上、使える状態ならば使ってしまうことがわかっていた。案の定、電気とガスが使えるようになってからはお風呂も毎日入るし、エアコンもガンガンつけるし、洗濯機も回すし、お米も炊飯器で炊くようになったし、スマホもめちゃくちゃ使うようになったし、ギターも弾かなくなってしまった。

ギターはスマホで音楽が聴けなくなってしまうと、自分でコードを弾いて楽しむしかないから自然とギターに手が伸びる。これもこの生活をして初めて知ったことだ。

五木寛之の青春の門の主人公の伊吹信介は若くして、父も母も義理の父の母も亡くした。そして自分一人の力で生きていこうと東京の大学に出た。僕はその環境が心の底から羨ましいと思った。なんのしがらみにも囚われずに自分の考えだけで生きていける。もちろん寂しさを感じることは多く、辛い遠思うこともあるのだろうが、ないものねだりなのだろうか僕はその環境が羨ましい。

昔から親に言われた通りに生きてきてしまうと,こういう考えになってしまうのかもしれない。

自分一人で生きていきたい。

でも本当に一人では人は心豊かには生きていけないと思う。伊吹信介の場合は、ふるさとの幼馴染である織江や東京で出会った友人や恩師などがいる。

でもやはり親と友人たちでは拘束力に全然違うものがあると思う。

「そんな馬鹿げたことは俺たちが死んだ後にしてくれ」と父に言われたが、そんなことを言ったら、あなた方が死ぬまで僕は本当にやりたいことをできないと言われているのと同じではないのか。

そして、もし親が死んだとしても、奥さんや子供がいるから自由なことはできないのではないかとなんとなく閉塞的な感情になってしまった。

ここで一人で海外に行った経験が僕の心の支えになった。実際に僕には誰にも頼らず、親に知られずにエジプトやフィリピンやアラブ首長国連邦に行ってきたと言う経験があるのだ。いざとなったらいつでも自分一人の考えでなんのしがらみにも囚われずに生きていくことができるのである。

これが視野が広がると言うことなのだろう。

本当に誰にも言わずに海外に行った経験は良かったと身に染みて感じることができた。

今もう一度海外に行こうと思う。最近どんどん型にハマった生き方をしていると思う。親にそんなことを言われただけで閉塞的な考えに至ってしまったのはそういったエネルギーが不足してしまっているからだと思う。ここでもう一度誰にも言わずに海外に行って自分一人で生きてみせる。

そうすればまたエネルギッシュな自分が取り戻せると思う。縁があって今年の夏は香港に行く計画を立てられたからよしとしよう。計画を立ててから気力が溢れてくる気がする。先週は夏バテ気味でずっと寝てしまっていた。

この緩急もよろしいと思う。

ここで電気ガスなしとありの生活の金銭面での違いを整理したいと思う。

6月23日から27日

23日月曜日

昼ごはん480円(お米を炊くことができないためおにぎりを持っていくことができず、お弁当を買うことにした。あまり美味しくないから続けて食べる気になれない)

夜ご飯 吉野家のネギ玉牛丼大盛り902円(牛丼屋さんも高くなったなーと感じた)

風呂 極楽湯700円(これがまた効いてくるのだ)

24日

昼ごはんは前に買ってあったカップラーメンを食べた。0円

この日はまだ髪の毛にボリュームがあったために風呂に入らないことにした。図書館で活発的に活動。

夜ご飯790円 (まるまつの白身魚フライ定食。とても美味しく

値段も比較的安い。ただし毎日食べようとは思えない。めちゃくちゃに美味しいのだが)

25日

昼ごはん480円(またしてもあまり美味しくないお弁当。しかも明日から原料費の高騰から弁当の値段が510円になるとのことだ。500円という切りのいい数字にすればよいのになと思った。経営陣は何を考えているのだろうか

。でも本人たちは僕よりも時間をかけて考えているはずだから何かしょうがない事情があるのであろう。値上がりもするし大して美味しくないから二度と買わないようにしようと心に誓った。)

夜ご飯吉野家900円(ネバネバ丼を注文した。栄養の観点では良かったのだが麦飯が使われていて全然美味しくなかった。やっぱりコメは白米に限ると再認識できた日であった。)

風呂極楽湯640円 (風呂に行っても、自分と同じように仕事帰りに風呂に入りにくる人が多く、シャワーを浴びる時もお湯が勢いよく出てくる場所が少ないため常に両脇に男性がいる状態であった。全然落ち着いて入ることができなかった。ドライヤーをするときも同様である。家で一人でゆっくりとシャワーを浴びてゆっくり集中してドライヤーで髪の毛を乾かすことができる過去の自分をひどく羨んだ。)

26日

昼ごはんカップラーメン

夜ご飯900円まるまつ(白身魚定食うまし)。普通盛りと言ったはずだったのにご飯大盛りが来てしまった。

27日

850円種ルナ氏淡々会社の昼休みに食べるしかなかった。

6月30日から7月4日

30日スーパーで買い物840円

1日

お米を炊いて0円

2日

卵を買い足す228円

3日昼休みに会社でホルモン定食1000円

夜ご飯は家で白米と買ったお惣菜

4日

昼休みに会社でトリチリ定食(地元の美味しい定食屋さん。オモウマイでも紹介されている。同期の一人が1時間作るのにかかるチャーハンを頼んで職場の先輩方を待たせてヒヤヒヤする。自分は会社から無理を言われてもあまり気にならないがその同期はすぐに反発をする。自分も会社に入る前は反発する力を持って入ろうと思っていたが、いざ入ってみて仕事をしているとそのような気持ちは薄まってきてしまっている。従順になることもいいと思うがその同期のように反発する心構えも大事だと思った。)

まとめ

電気ガススマホを使わなかった週(6月23ー6月27日)

合計 6,642円

つかった週(6月30ー7月4日)

合計 3,068円

会社の思わぬ昼休みの外食代を除けば

5,792円と1,068円になる。

約5000円の違いが出ることがわかった。

このことから炊飯器が使えて,家の風呂に入れることで五日間で5,000円も違ってくることがわかった。

食事も自分が取りたい栄養素を撮ることができる。

この生活で良かったこと

  • ギターを弾きたくなる
  • 自分の耳でチューニングするようになる
  • 洗濯を浴槽で足で踏んでする(楽しいが匂いが悪くなってくる)
  • 自転車をつかってあたらしい世界に行ける
  • スマホを使わなくなあるために睡眠がしやすくなる(暇になって早く寝てしまうからあまりよくないかもしれない)

この生活で良くないこと

  • 美を損なう(毎日お風呂に入らなくなり,ドライヤーで髪の毛を乾かすことができない)
  • 洗濯が大変
  • お米を炊くことができない(土鍋で炊けば良かったかもしれない)
  • エアコンんをつけることができない(初日裸で寝たために蚊に何箇所も刺されてしまった)
  • かえってお金がかかることになる

まとめ

電気ガスがないとあるのでは,五日間で5000円の違いが出ることがわかった。これは一ヶ月に換算すると,月で3万円もの差が出ることになる。

電気ガスを使っても使わなくても基本料金は取られてしまう。あとで使わなかった時と使った時で光熱費がどれだけ違うのかもしっかりと比較をする。

間違いなく電気ガスを使ったほうが金銭面では良いことがわかった。

素晴らしくちょうどいい金額設定だとわかった。

タイトルとURLをコピーしました